Q25.口蓋裂の手術のあと、家庭で何か訓練することがありますか。

A25.

 口蓋裂の手術をしたあと、私達の施設では、母親教室で言語治療のオリエンテーションを行い、その後、定期的に調査をし、必要があればそのときどきに言語治療士が指示をしてくれますからそれに従って下さい。個人差もあるので、どのような訓練をしなければならないといった画一的なものはありません。
 一般的には、手術後、一ヵ月ぐらいの間はまだ組織が軟弱で出血しやすい状態なので、保護床を使用したり、カドのあるような硬い食品はさけるべきです。
 術後一ヵ月を過ぎたころには傷跡もきれいになりますので、他の子供さんと同じように食べ物を与えてもかまいません。
 また、この時期から、吹いたり、吸ったりするようなことを遊ぴでさせると、鼻咽腔を閉鎖する筋肉の訓練になるので、言語訓繰の助けになります。具体的には、ハーモニカ、笛、ヘビ宙など、吹いたり、吸ったりする物ならなんでも結構です。また、近い距離からろうそくの火を吹き消し、しだいに遠い距離でも吹き消しができるように訓練すると、鼻咽腔を閉鎖する筋肉が有効に動くようになります。

 また、ジュースを飲むときはストローを使うよう心掛けたり、上を向いてガラガラとうがいをするような動作も有効で、このようなちょっとした遊びや、日常習慣を家庭でしていただくことは、家庭で行うよい言語訓繰といえます。